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水性塗料についての豆知識

水性塗料の歴史

自動車補修用の水性塗料は1994年に欧州で販売が開始された。これは1992年に施工されたVOC排出規制が1995年に強化されるといった背景を受けたもの。当時の規制値は、希釈済みの状態で(ベースコート含有量+クリヤー含有量×2)÷3が590g/ℓ以下と、水性塗料を使用する必要は無いレベルだが、1980年代から水性塗料の研究を進めていたアクゾノーベルコーティングやデュポン、BASF、PPGは、同年に足並みを揃えて発表した。その後、数年間は普及が進まず、製品改良も滞っていた。しかし1998年の規制強化を受けて導入工場も笛、ユーザーからの声を基に、各メーカーは隠ぺい性や乾燥性、貯蔵安定性などを向上させた。

BASFのオニキスHDやPPGのエンバイロベースHPが数回のフルモデルチェンジを行っているのに対し、アクゾノーベルコーティングのオートウェーブやデュポンのパーマハイドおよびスタンドハイドはマイナーチェンジを繰り返して性能アップを図っている。溶剤型塗料と比較して乾燥の遅い水性塗料の作業性を上げるため、隠ぺい性を高めてコート数を減らす設計を採用しており、一般的に外資系メーカーの製品は粘度が高く、トマリが良い。

一方国内メーカーに目を向けると、労働安全衛生法や消防法、悪臭防止法への対応を目的に開発が進められた。とくに、民家に囲まれた工場にとって、溶剤臭のない水性塗料はとても有効的だと塗料メーカーは考えた。

ロックペイントは、かつて技術提携していたICIと共同開発した2液タイプの水性塗料・ウォーターベースを1993年に発表した。その後、1液タイプのネオウォーターベースが完成し、2008年に改良版が登場。現在、原色のラインアップなど、最終調整を行っている。イサム塗料は、2000年に初代のエコアートを発売。水性塗料の市場性や実用性の調査を行い、2002年にアクアスを市場投入した。2008年に発売された新型アクアスは、外資系メーカーの塗料に見られるコート数が少ない高い隠ぺいタイプへとモデルチェンジした。日本ペイントは、1999年に専門のセクションを立ち上げ、補修用水性塗料の本格的な開発に着手。2005年にオーデベースを発表した。関西ペイントも15年の開発期間を経て、2007年にレタンWBエコベースを発売した。

水性塗料の特性とは・・・

水性塗料はその名前の通り、溶媒は主に水となっている。高い表面張力を持つ水は、ぬれ性が悪く平滑な肌を確保しにくい。また、有機溶剤と比較して蒸発が遅いため、タレやワキも発生しやすい。溶剤型塗料は、各種有機溶剤を利用して揮発性や溶解性、粘性を調整し、高い仕上がり性を確保している。一方しようする有機溶剤をVOC規制値の420g/ℓ以下にとどめて開発が進められた水性塗料は、適切な樹脂形態の採用やレオロジーコントロール(粘性調整)により、溶剤型塗料と同等な仕上がり性や作業性を実現させている。

水中での樹脂の形態は、粒子の大きさにより、水溶性、ディスパージョン、エマルションの3つに分類できる。それぞれの一般的な特性を比較したものが左図で、水溶性とエマルションは相反する性質を持つ。たとえば、エマルションを塗料に採用すれば、耐候性や密着性などの物性を確保できるが、分散性に劣るため色の再現性が犠牲となる。補修用塗料では、物性、色の再現性、平滑性をバランスよくもつディスパージョンが適しており、実際、ほとんどの製品で採用されている。

ディスパージョンは、水で薄めたカルピスのように白っぽい外観で、乾くと透明になる。これは、乾燥する過程で白色から透明に変化する木工用ボンドで考えるとイメージしやすい。これが水性塗料の特徴のひとつで、濡れているときはオパールのような青白さを帯びており、乾燥が進みツヤが引けると本来の塗色となる。そのため、調色作業の際は、塗膜をしっかりと乾燥させ、さらにクリヤーを吹いた状態で比色する必要がある。

溶剤型塗料は、スプレーガンから噴出されたのち、空気中で溶剤がある程度蒸発して、ねっとりした状態で鋼板へ付着する。しかし、水性塗料は空気中で水がほとんど蒸発せず、塗着後もポツポツと玉状になりタレやすい。よって、増粘剤が添加され、レオロジーコントロールされている。

水性塗料用の増粘剤は数多くラインアップされており、タレやメタルムラが生じにくく、平滑性およびボカシ性に優れる補修用塗料に最適なタイプを各メーカーは採用している。一般的に水性塗料はメタリックの並びが良いといわれるのは、レオロジーコントロールに起因する部分が多い。そのほかでは、溶剤型と比べて蒸発が遅く、体積収縮の幅が大きいのも要因として考えられる。

また、貯蔵安定性を確保するため、レオロジーコントロールでチキソ性を持たせている。キチソ性とは、一定の粘度を持った塗料をかき混ぜたりして力を加えることで、粘度が下がり、しばらく放置すると元の粘度に戻る性質。これにより、保存中は顔料が沈殿することなく分散し、塗装の際は攪拌やエアの力で粘度が低下して塗装性を持ち、塗着後は粘度が回復してタレなどを防いでいる。チキソ性の強いアクゾのオートウェーブおよびPPCのエンバイロベースHPはミキシングマシーンでの攪拌を不要としており、使用する前に数回振るだけで十分な設計となっている。

水は表面張力が強く、キシレンなどの有機溶剤と比較して2倍以上ある。そのため、ベースコートや希釈剤にレベリング剤や界面活性剤などの表面調整剤を添加して、ぬれ性を高めている、加えて、沈殿防止剤や微粒子化を高める添加剤などもベースコートや希釈剤などに含まれている。

水水性塗料の製品構成は?

水性塗料は溶剤型塗料と同様に、バランスドティント型とバインダー型に分けられる。
(下図参照:クリックで拡大表示されます。)

前者は、ベースコートと希釈剤で構成され、ほとんどの製品が同タイプを採用している。ベースコートは、顔料や樹脂、水のほか添加剤や有機溶剤もいくらか含まれている。保管は5~35℃の範囲内で、凍結には充分注意する必要がある。一度凍結した塗料は、水が分離して粘度が変化し、ブツも発生する可能性があるため再使用できない。保存期間はだいたい2年となっている。希釈剤は、脱イオン水がメインで、保存剤や添加剤も含有する。ただ、スタンドハイドとパーマイハイドの希釈剤は、脱イオン水100%となっている。メーカーによって、低湿度の環境に対応したタイプもあり、肌がバサつかないよう蒸発を遅くするアルコールなどが点火されている。

国内でラインアップされている水性塗料の中で、唯一オニキスHDがバインダー型を採用しており、製品構成は濃縮ベースコートとバインダー(水性樹脂)、希釈剤となっている。顔料と樹脂、有機溶剤で作られたベースコートは、氷点下でも凍らない。一方、バインダーと希釈剤は水を含むため、5℃以上での保管が必要となる。また、ベースコートの保存期間は60ヶ月とバランスドティント型と比較して長い。また、低湿度用に乾燥が遅いタイプのバインダーおよび希釈剤も用意されている。

湿度の影響を受ける水性塗料

水性塗料の理想的な塗装コンディションは、気温20~25℃、湿度40~60%とされている。溶剤型塗料と違い、湿度も考慮しなければならない水性は、低湿度および高湿度でそれぞれ注意点も発生する。

低湿度の場合、スプレーガンから噴出した塗料の水分は空気中で蒸発してしまい、肌がバサバサしてしまう。そのため、低湿度用の希釈剤を使用して、蒸発を遅らせる必要がある。また、標準タイプのみの製品システムでは、希釈率を多めにするほか、ガンの距離や移動速度など塗り方でも調整する。希釈の割合は各メーカーで上限を設けており、それ以上希釈剤を加えると水の性質が強くでてハジキが発生する。

一方、梅雨の季節など湿度が高い場合、フラッシュオフの時間が著しく長くなる。そこで、塗装ブース内の温度を上げて湿度を下げたり、熱源を用いて強制乾燥で蒸発を促進させる工夫がいる。

水性ゆえに脱脂は要注意

脱脂は水性塗料を扱ううえで重要なポイントとなる。これまで溶剤型塗料で問題のなかった作業内容でも、水性塗料ではハジキが発生するケースは多い。これは、水が油分に対して敏感なためで、たとえば、粘性をもつタッククロスの糊にも反応する。しかし、水性塗料だからといって脱脂方法は異なるわけではなく、マニュアル通りていねいに作業すれば問題ない。

下地や上塗りのクリヤーに関しては、溶剤型塗料で使用している製品をそのまま適用できる。ただ、クリヤーを塗装する前に、ベースコートの水分を充分に蒸発させなければ、ワキやハジキ、硬化不良の原因となる。水分の残存はツヤの引け具合で確認できるが、赤や黒のソリッドは乾燥後もある程度ツヤを維持するため、確認しにくいケースもあるようだ。

溶剤は溶剤、水は水

また普及率が低いこともあり、ボデーショップにとって水性塗料に関する生の声を耳にする機械は少ない。情報が豊富でないために、「水性塗料=非実用的」なイメージが先行したり、ためしに使用して失敗すれば「やっぱり水性はダメだ」と結論付けるケースも生じてしまう。各メーカーは最新の技術で、溶剤型から移行しやすい製品や仕様を作りこんでいるが、「水は水」である。溶剤型塗料とまったく違うものと認識し、マニュアルに沿った使用を徹底しながら慣れていくことが、水性化の重要な要素といえよう。

資料参照:㈱リペアテック

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